呼吸器内科(睡眠・呼吸センター)
睡眠・禁煙外来
「睡眠・禁煙外来」では睡眠時無呼吸症候群(SAS)、むずむず脚症候群(RLS)、周期性四肢運動障害(PLMD)、ナルコレプシーなどの睡眠障害の検査・治療や禁煙外来の診療を、医師・看護師・臨床検査技師・臨床工学士のチームで行っています。
睡眠外来
睡眠外来では、主にSASの診療を行っています。当院にはPSG検査専用の病室が3部屋あり、検査時はモニター室にて臨床検査技師が終夜監視をしています。またCPAP効果を確認するためのCPAP使用下でPSG検査(タイトレーション検査)も行っています。
- 1.PSG検査室
- 2.PSGモニター室
CPAP導入時には、臨床工学士よりCPAP機器使用方法の説明を行っています。治療開始後は遠隔でログデータを確認し、圧の調整や患者様の使用にあわせてマスク変更などを行っています。機器等の不良時にも、当院職員が対応しています。
PSG検査での診断のみ、もしくはCPAP導入指導・処方圧設定までのご依頼も歓迎です。安定したCPAP患者様の病診連携を推進しておりますので、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
過眠症外来
過眠症とは夜しっかりと眠っているにも関わらず、日中に強い眠気が生じ、起きているのが困難になる睡眠障害です。中でも代表的な過眠症が、ナルコレプシーと特発性過眠症で、どちらも10代から20代前半に症状が現れます。仕事中・授業中など状況に関係なく眠りに落ちてしまうため、社会生活に支障をもたらします。当院では、過眠症の診断のための反復睡眠潜時検査(MSLT)を行っています。
2020年9月より大阪回生病院 睡眠医療センター谷口充孝副院長を招聘し、過眠症の専門外来を開設しています。過眠症を疑われる患者様につきましては、谷口医師による過眠症専門外来の受診をお願い致します。診察日時は、毎月第2木曜日の9:00~11:30です。(変更の可能性あり)
禁煙外来
禁煙外来では保険診療で禁煙治療を行なっています。3カ月間に計5回の受診が必要で、禁煙補助薬(ニコチネルTTS貼付・チャンピックス内服)を使用しますが、何より専任看護師によるカウンセリングを大事にしています。
なお、現在禁煙補助薬の欠品品薄により禁煙外来を休止する医療機関が相次いでおりますが、COVID19感染防止・重症化防止対策として禁煙の重要性がますます高まっています。当院ではカウンセリング・行動療法を見直し、禁煙外来を継続しております。
呼吸器・アレルギー外来
当院呼吸器内科には、5人の医師が在籍しています。指導医が4人おり、日本呼吸器学会、呼吸器内視鏡学会、アレルギー学会の認定施設です。当院の強みは、優秀な多職種スタッフによるチーム医療です。
呼吸器・アレルギー内科は、平日の午前中に毎日外来を開設しています。
外来通院の患者さんでは、閉塞性肺疾患(COPD や気管支喘息)の方が多いのが特徴です。COPDに罹患した患者さんは、心血管系疾患や糖尿病、骨粗しょう症、サルコペニア、睡眠時無呼吸症候群などの併存症が多く、他科との連携やリハビリテーションが重要となります。喘息・COPDとも治療の中心は吸入療法であり、医師・薬剤師・看護師・理学療法士の多職種で吸入支援に取り組んでいます。
一昨年度より毎週水曜日午後に開設した「重症喘息外来」の患者さんは順調に増えています。バイオマーカーや併存症等を考慮して抗体製剤を選択し、患者さんへの説明や自己注射指導を含めた治療を行い、多くの患者さんで症状の改善が得られています。コントロールが不良で経口ステロイド薬を頻用しているような喘息患者さんがいらっしゃいましたら、地域医療連携室を通してご相談頂ければと思います。
アレルギー外来では、スギやダニに対する舌下免疫療法を行っています。
間質性肺炎の患者さんでは、病因の把握が重要であり、気管支鏡検査等により診断の確定に努めています。抗線維化薬等の治療により、予後が改善傾向にあります。
慢性呼吸不全の患者さんには、理学療法士や呼吸療法認定看護師が積極的に関与し、在宅酸素療法(HOT)を導入しています。高齢化社会を反映し、HOT患者さんは年々増えてきています。
肺癌の患者さんが多く受診されており、Ⅰ - Ⅲ A 期の患者さんには、呼吸器外科で手術を相談いただいています。当科ではⅢ B- Ⅳ期の方に、肺癌ガイドラインに則り、化学療法を中心とした標準的な治療を行っています。通院可能な患者さんには、外来化学療法を積極的に施行中です。高齢で状態の悪い患者さんが多いだけに、ガイドラインに則った標準治療だけではなく、患者さんの状況に応じた対応が必要となることが往々にしてあります。
当院の理念であります、「職員が地域医療のために働きたい、働いてよかった、地域の患者さんがかかりたい、かかってよかった、といえる医療」を思考の軸に据え、地域医療を推進していきたいと思います。