KKR高松病院

〒760-0018 香川県高松市天神前4-18

087-861-3261

治験管理室

治験管理室では「医薬品の臨床試験の実施の基準」(GCP)に規定されている治験に関する事務を行う「治験事務局」、治験審査委員会に関する事務を行う「治験審査委員会事務局」としての業務もおこなっております。
治験の実施にあたって、治験管理室は当院で実施される受託研究全般に関与しております。

治験とは

国から医薬品の承認のために必要なデータをそろえる試験のことを『治験』といいます。新しい『くすり』が誕生するための最終過程に、患者さんにご協力いただいて、有効性と安全性の評価を行います。
新しい『くすり』を多くの患者さんの治療に役立つようにするためには、必ず『治験』をしなくてはなりません。
現在、さまざまな『くすり』が使えるのも、過去に治験に参加した患者さんの善意によるご協力のおかげです。

治験に関する法律や取り決め

治験を実施するために、いろいろなルールが定められています。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

日本での医薬品や医療機器等の取り扱いに関する法律です。

GCP省令 (Good Clinical Practice=医薬品の臨床試験実施の基準)

治験に参加する人の人権や安全を守るための厳しい基準です。
倫理的な配慮のもとに、科学的に適正に信頼性を確保するために実施するよう定められています。

個人情報保護法

平成17年4月より施行された法律です。個人情報が不正流用されないよう、管理を義務づける法律です。
病院では、患者さんの氏名・住所はもちろん、病名・検査結果など多くの個人情報を管理しています。

これらの法律を受けて治験では、患者さんの人権やプライバシーの保護に努めています。

費用について

治験の場合、費用について国の定める制度(保険外併用療養費制度)が適用されています。
治験薬を使っている間の検査および治験薬の費用は、製薬会社負担となります。そのため、普段患者さんが診療を受けた際に支払っている健康保険などの一部負担金が少なくなる場合があります。

補償について

製薬会社には、万が一の補償を行うために保険などの必要な措置を取っておくことが、義務付けられています。
治験は参加者の身体の状態には万全の注意を払い、慎重に実施されますが、治験薬による何らかの障害や病気が起こってしまう可能性は否定できません。
万が一起こってしまった場合には、迅速かつ最善の処置・治療をいたします。また、治験薬が原因で障害や病気が起こってしまった場合には、治験を中止し、然るべき補償を行います。
ただし、過失や故意により生じた場合や、治験とは無関係と判明した場合には、補償が受けられないこともあります。

治験の相談窓口

国家公務員共済組合連合会 高松病院 治験管理室
TEL:087-861-3261(受付時間/8:30~17:00)
E-mail:irb@kkr-ta-hp.gr.jp

新薬ができるまで

  1. 1.基礎研究(2~3年)

    研究室などで将来『くすり』のもととなる新しい物質を発見したり、化学的に作り出します。
    試験管の中で『くすり』になるかどうか実験します。

  2. 2.非臨床試験(3~5年)

    動物などを対象に、その物質がどのように吸収されてどのように変化し使われているか、有効性と安全性について調べる試験をおこないます。

  3. 3.治験(臨床試験)(3~7年)

    非臨床試験にて、薬として有効であり安全であることが確認された『くすりの候補(治験薬)』が、安全でさらに実際にヒトに役立つかどうかを調べる試験を行います。治験は3段階に分かれています。

    第Ⅰ相試験
    少数の健康な人を対象に、副作用などの安全性や薬物の働きを調べる試験を行います。

    第Ⅱ相試験
    少数の患者さんを対象に、治験薬の有効性や安全性、また適切な使用量や投与方法などを確認します。

    第Ⅲ相試験
    多数の患者さんを対象に、治験薬の有効性と安全性について最終的な確認をします。
    すでに使用されている薬やプラセボ(見た目は治験薬と同じですが、薬の成分を含まないもの)との比較試験などをおこないます。

  4. 4.厚生労働省への承認申請と審査(1~2年)

    治験での有効性、安全性が認められた治験薬は、厚生労働省に承認申請をおこないます。
    厚生労働省に認められて初めて『くすり』として使用することができます。

  5. 5.新しいくすりの誕生

治験の流れ

  1. 1.はじめの診察・事前説明

    はじめに治験担当医師やCRC(治験コーディネーター)から治験に関する詳しい説明を受けます。
    その時に治験の目的や方法、検査の内容、来院回数、その治験薬の予測される効き目と副作用なども書かれた説明書(同意説明文書)が渡されます。
    疑問点などがあれば治験担当医師やCRCに質問し、納得いくまで確認をしてください。

    CRC(治験コーディネーター)
    CRCとは治験コーディネーターといい、治験がスムーズに行われるように、患者さんや医師、院内のスタッフ、製薬会社などとの架け橋の役割をするスタッフです。
    ご質問、ご相談がございましたら医師、CRCにお気軽にお声かけ下さい。

  2. 2.同意・署名

    治験の内容を理解された上で、治験への参加・不参加を患者さんご自身の意思で決めていただきます。
    治験に参加することに同意いただきましたら同意書に署名と日付を記載します。
    (上記のように理解を得たうえで同意頂くことをインフォームド・コンセントといいます。)

    参加をお断りになっても、不利な扱いを受けることはありません。
    これまでどおり、担当医師が適切な治療を行います。また、参加を決めたあとでも辞退できます。

  3. 3.参加条件の確認(検査・診察)

    治験には参加できる基準・参加できない基準があり、参加条件は治験によって異なります。
    治験の対象とされる病気の程度や、これまでの経過、他の病気をしていないこと、決められた病院への通院ができること、年齢や性別などが治験ごとに詳細に決められています。
    治験への参加に同意した人には、その条件にあうかどうか治験のための診察や検査を行い最終的な確認をします。
    その結果によっては、患者さんが治験参加を希望されても参加できない場合もあります。

  4. 4.治験薬の使用

    治験参加の条件を満たすと治験担当医師から『治験薬』が処方されます。
    指示された用法・用量を守って、一定期間治験薬を使います。

  5. 5.診察・検査 終了

    治験によっては通常よりも来院回数が増えたり、採血・採尿などの検査内容が増えることがあります。
    これは病状の回復具合だけではなく体調の変化を詳しく調べ副作用を早期発見するためでもあります。
    治験に限ったことではありませんが、少しでもいつもと違う感じがあれば、早めにご連絡ください。

治験参加のメリット

  • 現段階では使いたくても使うことのできない『くすり』を使用するチャンスがあります。
  • 通常の診療よりも詳しい検査や診察がおこなわれ、病気の状態や検査結果について詳しく説明を受けられます。
  • 同じ病気に苦しむ人または将来同じ病気になる人の助けになり、社会貢献ができます。
  • 治験によっては検査代や診察費がいつもより少なくなる場合があります。

治験参加のデメリット

  • 治験中は体調に変化がないか慎重に診察するため、通常より来院回数が増えたり、検査が多くなったりします。
  • 自宅にて日誌をつけたり、くすりの飲み方や生活の仕方など気をつけて守らなければならないことがあります。
  • これまでに知られていなかったような副作用が出る可能性があります。

治験審査委員会とは

治験に参加している患者さんの「人権」と「安全性」に問題ないかどうかを審査する為の委員会です。
治験審査委員会では、製薬会社や治験の依頼を受けた病院とは利害関係のない人や、医学・科学の専門家及び非専門家によって構成されています。

国家公務員共済組合連合会高松病院 治験審査委員会委員名簿

国家公務員共済組合連合会高松病院 治験審査委員会標準業務手順書

国家公務員共済組合連合会高松病院 治験審査委員会 記録の概要(開催は原則第3金曜日)

平成21年度開催
平成22年度開催
平成23年度開催
平成24年度開催
平成25年度開催
平成26年度開催
平成27年度開催
平成28年度開催
平成29年度開催
平成30年度開催
平成31年度開催
令和2年度開催
令和3年度開催
令和4年度開催
令和5年度開催
  • 当院における治験審査委員会は倫理審査委員会(臨床研究を審査する委員会)を兼ねております。