栄養科
特色
栄養科は、「食べることは生きること」を理念に掲げ、給食管理と栄養管理を軸として業務を行っています。給食管理は2021年4月より業務(部分)委託から直営管理に変更し、食事内容の底上げを図りつつ、「 安全で美味しい治療食の提供」を基本方針として業務を行っています。
栄養管理は 「根拠に基づいた栄養管理の実践」を基本方針に、病棟・外来にて業務を行っています。また栄養指導業務にも力を注ぎ、特に外来栄養指導業務においては糖尿病や心臓病を中心に化学療法、透析など各疾患に合わせた栄養指導を展開しています。栄養科スタッフは管理栄養士:9名・栄養士:1名・調理師:9名・調理員:2名の総勢21名で構成されています。
業務内容
1.給食管理
厚生労働省が示している「大量調理施設衛生管理マニュアル」を基に、食中毒を予防するための調理過程・衛生管理体制を確立し業務を行っています。また加熱調理食品の中心温度測定の徹底、二次汚染防止の徹底、原材料及び調理後の食品の温度管理の徹底などの重点管理事項について点検・記録を行うとともに、必要に応じて改善措置を講じています。また、様々な病態に対応し、見た目や飲み込みやすさなどにも考慮した治療食を提供しています。
2.入院栄養管理
各病棟に管理栄養士を配置する病棟担当制を導入、業務内容は次の通りです。
- 病棟カンファレンスへ参加し、患者情報収集を行う
- 入院患者全員に対し栄養スクリーニング及び栄養管理計画書の作成
- 全入院患者の栄養状態を把握し、栄養障害・食事摂取量低下症例へは速やかに介入・対応し栄養改善のサポートを行う(栄養状態の再評価)
- 各入院患者の食事摂取量調査
- 食事変更オーダ入力
- 担当病棟モニタリング・症例のアセスメント(問題症例の抽出・回診での提示)
- 担当病棟回診への参加
- 患者・家族への栄養・食事指導
3.外来栄養管理
- 代謝内分泌内科外来、心臓血管病センター
代謝内分泌内科外来の栄養指導ブース内に管理栄養士が常駐し、医師の指示のもと待ち時間を利用した栄養指導を実践しています。糖尿病や心臓病のある患者さんを主体に隣接する睡眠・呼吸センター、各内科と連携を図り、低栄養やサルコペニア、メタボリックシンドロームに対しても幅広いアプローチを行っています。 - 透析室
透析患者さんは高齢かつ透析歴の長い方も多く、栄養不良に陥る患者さんが増加してきました。透析室では管理栄養士が看護師・臨床工学士と共に患者さんの栄養評価・指導による栄養管理を実施しています。食生活上の改善が必要とされる患者さんを対象とし、透析中にベッドサイドにて指導しています。また定期的に透析カンファレンスにも参加し多職種と情報共有もおこなっています。 - 化学療法室
抗がん剤治療中に、嘔気・味覚障害や口内炎などの副作用から、食事が十分に摂れなくなった患者さんには 栄養士が食事内容の聞き取りを行い、摂取栄養量や栄養バランスを説明し、食事の種類や調理法の対応について指導しています。また、副作用の症状に合わせた食事形態や調理法の工夫、経口栄養剤などの紹介もお伝えしています。
4.チーム医療への参画
NST、糖尿病ケアチーム(DMCT)、ICT、緩和ケアチーム、呼吸ケアチーム(RCST)、心臓血管ケアチーム(CCT)、褥瘡対策委員会、透析・アフェレシスチーム等医療チーム、およびそれぞれのチーム回診への参画もしています。また各チームにおける栄養療法の提言や各種学会への参加や発表も行っています。
実績
令和6年度 食数合計:114,628 食
- 食種別:常食 18,642食、軟食 52,501食、流動 1,288食、特別食 42,197食
- 加算別:加算食 42,197食、非加算食 72,431食、加算食割合 36.8%
令和6年度栄養指導件数合計:2,833件
- 内訳:入院 1,189件、外来 1,644件