臨床工学科
特色
臨床工学技士(CE:Clinical Engineer)とは、生命維持管理装置や輸液・シリンジポンプなどの医療機器の操作・保守・点検・管理などを担当し、高度医療の提供や医療安全を中心に医療現場を支えています。当院では現在14 名の臨床工学技士がME(Medical Engineering)機器センター・循環器・呼吸器・内視鏡・血液浄化・手術室などの部門で従事しており、様々なチーム医療にも参加し活躍の場を広げています。また、学会活動や資格取得を積極的に行い、医療の質の向上や自らのステップアップ・モチベーションの向上に努めています。
ME機器センター業務
当院の医療機器はME機器センターで管理しています。
病棟、外来で使用する機器はほとんど中央管理されており、現在700 台以上になります。それらの機器全てにおいて点検計画を立て確実に点検を行っています。人工呼吸器などの生命維持管理装置は使用中の点検を行い、医療機器による事故を未然に防ぎ、患者様に安心して医療を受けていただけるよう努力しています。また、機器の修理や部品交換等をCEが院内で行うことで、故障機器のすばやい復帰・コストの削減を図っています。
循環器業務
- カテーテル検査治療
CAG・PCI・EVT・RFCAなどの検査治療時の術中記録やポリグラフ・IVUSなどの様々な機器の操作を行い、急変時等の異変にも早期に対応できるよう心がけています。
- 病棟循環器ラウンド
PCPS・IABP・体外式ペースメーカ・心電図モニターなどの機器使用状況の確認を毎日行い、日々変化する患者さんの状態に対応しています。
- 植え込むデバイス管理
PM・ICD・CRTなどのデバイスの新規植込みから外来フォローアップまでのすべての患者さんを一元管理しています。最近では遠隔モニタリングシステムにより患者さんの心不全やデバイス異常の早期発見にも努めています。
- 循環器機器材料管理
循環器機器の定期点検や循環器物品の管理も臨床工学技士の重要な業務です。
呼吸業務
- 人工呼吸器点検、
人工呼吸器導入サポート 病棟で使用されている人工呼吸器の使用中点検を毎日行っています。またNPPV 導入のサポートを行っています。
- 患者指導
今後増加が予想されている在宅酸素療法や在宅人工呼吸療法などの導入指導も行っています。
- CPAP 外来
睡眠時無呼吸症候群の患者さんに対してCPAP 療法の導入指導や、導入後の外来フォローを行っています。
内視鏡業務
- 内視鏡治療時のデバイス操作
ERCPやESDなどでは、様々なデバイス類を使用し治療を進めていきます。臨床工学技士はDr.の隣に立ってガイドワイヤーやナイフ等のデバイス操作を行っています。
- 機器物品管理・メンテナンス業務
内視鏡検査で使用する様々な機器や物品を滞りなく使えるようにメンテナンス・管理を行っています。
- 洗浄管理業務
内視鏡室の感染管理において洗浄管理業務は最重要となります。その業務を担っているのも臨床工学技士となっています。
手術室業務
- 機器管理、セッティング
麻酔器やそれぞれの手術で使用する機器のセッティングや始業点検、終業点検を行っています。最近では腹腔鏡下手術が主流となっており、使用する機器やデバイスも多く、より精密になっています。
- 機器洗浄、機器・デバイス点検
機器や鉗子類の洗浄、滅菌前点検を行っています。機器のトラブルを事前に発見し、手術が安全かつスムーズに行われるよう努めています。
- 麻酔科補助業務
術前準備や麻酔記録の代行、術中のバイタル監視等、麻酔科補助業務を開始しました。
血液浄化業務
- 機器管理・メンテナンス・水質管理
透析に関する全ての装置の点検・操作・修理・オーバーホールを行っています。血液透析は毎日行われる治療のため、装置の不具合時は現場の臨床工学技士が即時対応できる体制を整えています。また透析では大量の水を必要とするため透析用水の作成・濃度調整・品質管理も重要な業務の一つです。
- シャント(VA)管理・治療
透析にはシャントが必要不可欠です。超音波装置を使用しシャントの管理も臨床工学技士が行っています。またシャント治療(VAIVT)が必要となった時も手術でのサポートも行っています。
- 透析設定・透析効率管理
透析では様々な設定モードが存在します。治療結果から機器の治療設定・デバイス選定を行うのも重要な業務となっています。