当科では代謝内分泌疾患全般について診療を行っています。フットワークの軽い、柔軟な診療を心掛けています。また、当科は日本糖尿病学会・日本内分泌学会の認定教育施設になっています。
検診などで高コレステロール血症、高中性脂肪血症、高尿酸血症を指摘される方が増えています。
糖尿病と同様にこれらの数値に異常があっても自覚症状はまずありません。
ただし、これらが高値のまま長期に渡り放置すると動脈硬化が進展し、脳血管疾患、虚血性心疾患を発症することがあります。
また、高尿酸血症の場合は痛風や腎障害をおこすこともあります。
特に糖尿病の方がこれらの疾患を併発していると合併症(動脈硬化)が進行しやすくなるので注意が必要です。
糖尿病の治療と同様高脂血症や高尿酸血症の治療は将来の合併症(動脈硬化)の予防のために行います。
動脈硬化の進行程度を評価したうえで食生活等の生活習慣を改善や薬物療法により治療を行います。
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糖尿病とは、血糖(血液中のブドウ糖濃度)が高い状態が長く続く疾患です。糖尿病には、
自己免疫やウィルス感染が原因と言われる1型糖尿病と、“糖尿病になりやすい体質”に過食、運動不足、ストレスといった現代社会の生活習慣が加わり発症する2型糖尿病があります。
1型糖尿病の方は多くの方でご自身の膵臓からのインスリン分泌は枯渇してしまいますのでインスリン注射による治療が必須です。
2型糖尿病の方はご自身の生活に合わせて食事量を整えたうえで足りない部分は内服薬・インスリンで補い血糖値を正常に近づけるようにします。
糖尿病の治療の目的は単に血糖値を下げることではなく、網膜症・腎症・神経障害や動脈硬化性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢壊疽等)などの合併症を予防することにあります。
現在のところ合併症発症を防ぐためには“血糖をできるだけ正常に近づけること”がもっとも確実な方法ですが、動脈硬化の進展予防のためには禁煙、高血圧・高脂血症の治療も大切になります。
また、糖尿病の合併症はかなり進行してからでないと自覚症状はありませんので定期的な眼科受診(網膜症)、尿の検査(腎症)、負荷心電図、頚動脈超音波検査、下肢血圧測定、等により合併症の早期発見・治療を行うことが必要です。
残念ながら糖尿病は完治する病気ではありませんが、正しくつきあえば怖い病気ではありません。適切な治療により血糖値等を上手くコントロールし、重篤な合併症をおこさなければ日常生活に差し支えることはほとんどありません。
糖尿病になってある程度の時間が経過すると末梢神経障害により足の痛みを感じにくくなったり、動脈硬化が進行して足の血流が悪くなることがあります。
また、白癬(水虫)などの感染症も起こしやすくなります。
これらのことが重なって小さな傷から壊疽等の重篤な状態に至ることがあります。
看護師が足の皮膚・爪の状態をチェックし適切な処置・アドバイスをすることで重篤な病変の予防を心がけています。
教育入院は7日~10日間程度で予め検査等のスケジュールを決めて行っています。
担当医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・臨床検査技師でチームを組んで診療にあたり、皆様の療養のお手伝いをするよう心がけています。
なお、入院中の糖尿病教室は4日間で1クールとなっています。