呼吸器外科
特色
2015年6月より呼吸器外科を新たに開設し、呼吸器領域全般に関する外科的治療を提供しています。
当科では、科学的根拠のある・経験に裏打ちされた医療を、充分な検討の上で安全・確実に遂行することで、患者さんが安心して質の高い医療を受けて頂けるよう心がけております。「自分や自分の家族が病気になったときにしてもらいたいと思える治療を、しんどい時も笑顔でいられる治療を。」これが我々の基本姿勢です。従来通り、地元地域の医院・病院の先生方との連携を最大限重視し、愚直に日々の診療に取り組んでいます。さらに、当院の特色である、全国で最も早い時期に立ち上げたチーム医療、特に呼吸器内科医を含めた呼吸器リハビリチームとよく連携し治療にあたっています。
診療内容
対象とする疾患は、下記のとおりです。手術は、基本的に小さな傷で行う完全胸腔鏡下手術による体に負担の少ない手術を心掛けています。ロボット支援手術は導入していませんが、特殊な場合を除き、大規模病院と同等のことが可能です。疾患と治療方法については十分な説明を行い、ご理解頂いた上で治療方針を決定しております。
原発性肺がんの手術においては、標準的な胸腔鏡下肺葉切除術はもとより、早期の小型肺癌や高齢・低心肺機能の患者さんに対しては根治性を損ねることなく機能を温存する術式である胸腔鏡下区域切除・部分切除を行い、患者さんの生活の質を損なわないように配慮しております。局所進行肺癌では、集学的治療や隣接臓器の切除を含む拡大手術など、主に香川大学と連携し治療しています。近年増加している虚血性心疾患や肺気腫、糖尿病など種々の併存症を有する患者さんに対しては、小規模ですが総合病院たる当院の利点を生かし、関係各科との連携で安全に手術ができるように迅速に治療介入を行い、安全性を担保しております。退院後も、地域開業医の先生方と連携しながら経過観察を行います。
対象疾患
呼吸器外科診療で対象とする疾患は
- 悪性肺疾患:原発性肺がん、転移性肺腫瘍など
- 良性肺疾患:肺良性腫瘍、炎症性疾患(膿胸、限局性の真菌症)、気管支拡張症など
- 胸膜疾患:気胸、嚢胞性疾患、膿胸、胸膜腫瘍(悪性胸膜中皮腫) など
- 縦隔疾患:縦隔腫瘍、縦隔炎、重症筋無力症など
- 胸壁疾患:肋骨・胸骨腫瘍、胸壁膿瘍など
- 横隔膜疾患:横隔膜腫瘍、横隔膜ヘルニア、横隔膜弛緩症 など
- 気管・気管支の疾患:気管・気管支腫瘍、気道狭窄、気管支異物、気管支瘻 など
- 胸部外傷:外傷性気胸、血胸、肺挫傷、ヘルニア、気管・気管支損傷 など
- その他:難治性胸水、乳び胸 など
実績 手術件数の年次推移
2021年
- 全手術件数
- 33
- 全麻手術件数
- 29
- 全胸腔鏡手術
- 27
- 原発性肺癌
- 6
- (胸腔鏡手術)
- 5
- 転移性肺癌
- 3
- 良性肺腫瘍
- 0
- 縦郭腫瘍
- 0
- 気胸
- 15
- 膿胸
- 5
- 胸壁腫瘍
- 0
- 気管・気管支手術
- 0
- その他
- 4
2022年
- 全手術件数
- 38
- 全麻手術件数
- 33
- 全胸腔鏡手術
- 30
- 原発性肺癌
- 13
- (胸腔鏡手術)
- 10
- 転移性肺癌
- 2
- 良性肺腫瘍
- 2
- 縦郭腫瘍
- 0
- 気胸
- 14
- 膿胸
- 1
- 胸壁腫瘍
- 1
- 気管・気管支手術
- 0
- その他
- 7
2023年
- 全手術件数
- 35
- 全麻手術件数
- 26
- 全胸腔鏡手術
- 20
- 原発性肺癌
- 14
- (胸腔鏡手術)
- 12
- 転移性肺癌
- 2
- 良性肺腫瘍
- 1
- 縦郭腫瘍
- 0
- 気胸
- 3
- 膿胸
- 4
- 胸壁腫瘍
- 1
- 気管・気管支手術
- 1
- その他
- 11
担当医からのメッセージ
高齢化に伴い増加している肺がんを主体に、気胸・膿胸などの呼吸器疾患の手術治療を行なっております。「気軽に相談しやすい。敷居が低い。フットワークが軽い。チーム医療の提供。」を心がけ、患者さんの大病院志向が強い中、小規模病院でしかできない迅速な対応と気配りでお互い(患者様と/ 先生方と)の顔の見える治療を提供しています。
当院は「香川大学医学部附属病院(基幹施設)の関連施設」として日本呼吸器外科学会の施設認定を受けております。香川大学と主に連携しながら、手術には胸腔鏡システムや最新の手術デバイスを新たに導入して、「安全で精確な手術」を心がけております。
「肺に影が見つかったら」、「肺のことで困ったら」まずは気軽にご相談ください。
手術までの待ち時間も短く対応もできますのでその点でもご相談ください。
敷居を低くしてお待ちしています。